『地球にちりばめられて』 多和田 葉子 講談社

『地球にちりばめられて』
多和田 葉子 
講談社


(あらすじ)
留学中に故郷の島国が消滅してしまった女性Hirukoは、大陸で生き抜くため、独自の言語〈パンスカ〉をつくり出した。Hirukoはテレビ番組に出演したことがきっかけで、言語学を研究する青年クヌートと出会う。彼女はクヌートと共に、この世界のどこかにいるはずの、自分と同じ母語を話す者を捜す旅に出る――。誰もが移民になり得る時代、言語を手がかりに人と出会い、言葉のきらめきを発見していく彼女たちの越境譚。


(感想)
細く美しいレース工芸品のようなことばが連なる。
思えば昔々は国境などなく人は歩き続けていたのに。
言葉と国境、母語と母に思いを馳せる。
「化けない動物なんていない、そんなお国柄」
そんなことば遊びと風刺のようなストーリーが楽しい。
風刺として捉えることもできるが、人間が動きだしてからずっと、このようなことが起きていたのだろうなと想像する。

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