『星に仄めかされて』多和田葉子

 『星に仄めかされて』
多和田葉子
講談社

(あらすじ)
世界文学の旗手が紡ぎだす国境を越えた物語(サーガ)の新展開!
失われた国の言葉を探して地球を旅する仲間が出会ったものは――?

Hirukoがつくり出した独自の言語、〈パンスカ〉が見知らぬ人々を結びつける。
分断を超えた希望を描く、全米図書賞作家の新たな代表作。

(感想)
塩田千春さんの赤い毛糸の作品のように、言葉や人、過去や想像のなかのことがつながり、離れていく。読者である私はヒントを受け取りながら、怠惰なピンボールのようにゆったり弾かれる。
その心地よさが楽しい読書体験。
陸でつながる国々の魅力と、すべては海に浮いているのだということへの高揚感も楽しんだ。

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著者プロフィール
多和田 葉子  (タワダ ヨウコ)  (著/文)
多和田葉子(たわだ・ようこ)
小説家、詩人。1960年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ハンブルク大学大学院修士課程修了。文学博士(チューリッヒ大学)。1982年よりドイツに在住し、日本語とドイツ語で作品を手がける。1991年『かかとを失くして』で群像新人文学賞、1993年『犬婿入り』で芥川賞、2000年『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花文学賞、2002年『球形時間』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、2003年『容疑者の夜行列車』で伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞、2005年にゲーテ・メダル、2009年に早稲田大学坪内逍遙大賞、2011年『尼僧とキューピッドの弓』で紫式部文学賞、『雪の練習生』で野間文芸賞、2013年『雲をつかむ話』で読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。2016年にドイツのクライスト賞を日本人で初めて受賞し、2018年『献灯使』で全米図書賞翻訳文学部門、2020年朝日賞など受賞多数。著書に『ゴットハルト鉄道』『飛魂』『エクソフォニー 母語の外へ出る旅』『旅をする裸の眼』『ボルドーの義兄』『地球にちりばめられて』『穴あきエフの初恋祭り』などがある。

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